サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.2~

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「その子放せよ」 先ほどのチャラっとした雰囲気はそこにはない。 「怯えてるじゃねぇか。放してやれよ」 「うるせぇ。部外者はすっこんでろ」 ホストを睨み付けながら、トトが冷たく言い放つ。 「……部外者、ね」 ホストがため息をつく。 「部外者だけど、あんたをそこまでキレさせちゃったのは俺だし、まぁ……お遊びが過ぎた責任はとらないとね」 ホストが腰の鎖に手をかける。 「それに俺……」 じゃらんと鎖が宙を舞う。まるで、何かの生き物のように。 「そーゆーの見過ごせないんだわ。フェミだから」 ひゅんっとトトの顔を鎖が掠める。 「……っ! てめぇ……」 「あんた……保護者が聞いて呆れるぜ。嫉妬心剥き出し。独占欲丸出し。それをまるごとぶつけられる方の身にもなれよ」 ひゅんっとまた鎖が掠める。 「何より俺の目の前で、女に苦しそうな怯えた顔させるとか……俺は許せない。特にそれが、俺好みの女なら尚更だっ!」 鎖がしなり、トトに襲い掛かる。 瞬間、トトが反転し、私を地面に押し倒すようにして覆い被さった。
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