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ギャラリーがさあっと左右に広がる。
その中から、まるで花道を行くように一人の人物がしゃなりしゃなりと歩み出る。
赤い唇。金の髪。そしてなぜか紫のチャイナドレスにピンクのファー。
グリンダだった。
「まったく……人が店をちょっと留守にしてる間にこの騒ぎ……。あたしの店の前でメーワクよ! メ・イ・ワ・ク!!」
グリンダがため息をつく。
「……まぁ、だいたいのいきさつは店の子達やここにいる皆さんから聞いたわ。……で」
グリンダがくるりとトトとホストの方に向く。
「あんた達。ちょっとこっちにいらっしゃい」
ニコニコしながら、二人に手招きする。
トトとホストはお互いに顔を見合せ、グリンダの方に歩いて行った。
ニコニコしたままのグリンダがすっと両腕を挙げた。
ゴンっ! ゴンっ!
「こんのっ……バカちんどもがあぁぁっ!!!!」
カドリング中に響き渡るようなグリンダの大絶叫と同時に二人の頭上に拳骨が落ちた。
二人はほぼ同時に頭を押さえながら、その場に座り込む。
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