サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.2~

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「そりゃそうでしょう。フェンリル部隊っていえば、泣く子も黙るエリート部隊。あいつらにその風格はなかったわ。……あんたもそれがわかったから、喧嘩買ったんでしょ?」 「あら、ばれて~ら」 にししとてつおが笑う。 グリンダがやれやれという感じで、ため息をついた。 「ところで……あんた、店は大丈夫なの?」 「店? のあぁっ!? 気がつきゃこんな時間!? ヤッべー!! 店長に怒られるぅっ!? 姉さん、俺行くわっ!!」 てつおはグリンダに手を振り、踵を返す。 「……と、その前に」 くるりと振り返って、私の方に近づいた。 「これ」 私に一枚のカードを渡す。 「これ、俺のいる店。今度遊びに来てよ。指名してくれたらサービスするから。それと君の名前、教えて?」 てつおがにこやかに笑いかける。 「……ドロシー」 その人懐っこそうな笑顔に、つい気を許して名前を言ってしまった。 「ドロシーちゃんか……。うん。君によく似合う可愛い名前だね」 ……さすがホスト。 素でそういうセリフが出てくるとは……。
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