サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.2~

33/38
前へ
/604ページ
次へ
「じゃ、ドロシーちゃん。また君と会えるように、これは俺からのおまじない」 ちう。 ちう? 唇に……ちう? …………唇に…………ちうっ!?!? チュウっ!?!? こここ、この男、今私に何したぁっ!?!? 「きっすぁむぁっ!!!!」 私より、トトの方が反応が早かった。 光の速さで、私をてつおから引き剥がし、抱きすくめる。 「あっはっはっは~。ごめんね~。保護者さん。あんまり可愛かったんで、つい」 「“つい”じゃあねぇっ!!!!」 トトが私を抱きすくめ、てつおに威嚇してる間、私はずっと固まっておりました。 唇に……ちう……。 唇に……ちう……。 唇に……。 チュウ……。 ほとんど、思考停止状態。 「じゃあ、まったね~。アデュー」 「待て、こらっ!! 一発殴らせろっ!!!」 「やっだよ~ん」 怒り狂うトトに、ニコニコと笑いながら手を振り、てつおは走って行ってしまった。 「……あんた達、あの子に気に入られたわね」 グリンダがニヤニヤしながら、そう言った。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加