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「それより……あのさ……ごめんなさいっ! トトっ!」
トトに向かって、ガバッと頭を下げる。
「急になんですか? お嬢?」
「動くなって言われてたのに、勝手に動いて、大騒ぎになって、トトにたくさん迷惑かけたから……だから……ごめんなさいっ!」
ちゃんと謝んなきゃダメだ。だって、あれはやっぱり私が悪いんだし……。
「ああ……。ん……まぁ、その……俺もちょっと大人気なかったなって……まぁ……そう思ってるんで……その……気にしないでください」
照れくさそうに、反対側を見ながら、トトが私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ちょっ……! トト……! 髪の毛、ぐしゃぐしゃにしないでっ!!」
「あはは。すいません」
笑いながら、言うな!
……でも、良かった。いつものトトに戻ってくれて。
今度は、グリンダの方に向き直る。
「それから……グリンダさんも。助けてくれてありがとうございました」
グリンダが、私を見ながら、うんうんと頷いた。
「もぉ~。ホントにあんたって、素直で可愛いんだから。……誰かさんとは大違い」
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