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「……誰かさんって、誰ですか?」
トトが返す。
「さぁ? 誰かしら?」
グリンダがおかしそうに笑った。
「そんなことより! 店に入って入って! 今すぐガールズトークしましょっ! あ、それとも恋バナ? 恋バナ? あ~ん! もぉ、すっごい楽しみにしてたんだからぁ!!」
グリンダがくねくねしながら、私に抱きつこうとした。……が。
しっぱーん!!
「べぶっ!! ちょっと!? 何すんのよっ!? あんたっ!?」
「……オヤジからです。お嬢とガールズトークする前に、目を通してください」
トトが抱きつこうとするグリンダの顔面に、真正面から何枚かの紙を叩きつけた。
「……ヘンリーから? なんなのよ……。いったい」
グリンダがぶつぶつと文句を言いながら、顔から紙を剥がした。
「え~っと……“旅のしおり・グリンダ用”。その1、グリンダは俺の娘に半径1メートル以内近づくな……。その2、俺の娘とガールズトークするな……って何よ!? これっ!?」
「そういうことなんで、お嬢とのガールズトーク及び恋バナは諦めください」
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