閑話休題~その1~

2/4

1279人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
Dr.オールボーンが自分の部屋から出たとき、ドロシーの部屋から大きな声が聞こえてきた。 “どうして普通に起こせないの!?” オールボーンはため息をついた。 ……またか。 あいつも毎朝よくやるよ……ホント。 オールボーンがドロシーの部屋の前を通り過ぎようとした時、トトが部屋から出てきた。 「あ、師匠。おはようございます」 「ああ。……お前も毎朝大変だな」 「あはは……。これも仕事のうちですから」 困ったように、でも、どこか満足そうにトトが答える。 「……放っておいたらどうだ?“いい大人”なんだから、そのうち自分から起きてくるさ」 オールボーンが少し皮肉を込めてそう言った。 「そういう訳にも行きませんよ。だいいち、お嬢が起きるのを待ってたら、夕方になってしまいます」 「……置いていけばいい」 「師匠……。それ、本末転倒ですから」 「まぁ、置いていくのはやり過ぎだが、それくらいのことをすれば、あの娘も改めて、自分から起きてくるようになるってことだ」  「……うーん。まぁ……そうですよねぇ……」
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加