サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.3~

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「言ったでしょう? モグリのお医者様だって。派手なところで開業してどうするの」 「そりゃそうですけど……ここからまた半日近く車を運転すること考えたら……ちょっと、たまらない気分になっちゃっただけですよ」 トトがあははと乾いた笑いを出した後、「オヤジのやつ……覚えてやがれ」と呟いた。 「まあまあ。そう言わないで。案内人に楽しい男を付けてあげるから」 「案内人?」 「そ。案内人。……ちょっと、コウノトリを呼んで来てちょうだい」 グリンダが側にいたボーイにてきぱきと指示を出す。 「コウノトリ?」 なんか……すごい名前。 「……きっとコードネームか何かなんでしょう。おそらく……グリンダさんがつけた……」 ……グリンダセンス。 納得。 「姐さん。呼びましたか~?」 西部訛りの混じった男の声が、ドアの向こう側から聞こえてきた。 「ああ。入ってちょうだい」 「邪魔します~」 扉を開けて入ってきたのは…… 一羽の大きな…… コウノトリ。 そのまんま。 なんのひねりもなく……コウノトリ。
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