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「……」
「……」
無言のトトと私に、グリンダが普通に紹介しだした。
「あんた達は会うの初めてよね? 彼はコウノトリって言ってね、最近あたしの店に来たんだけど、主に“裏の仕事”を手伝ってもらってるの」
グリンダの言う“裏の仕事”とは情報屋のこと。
それはいいんだけど……。
「ん? あんた達、どうしたの? 固まっちゃって」
いや……。だって……。
「ふっ。ええねん。姐さん……。俺ら“マンチキン”はこの世界のはみ出し者。迫害と偏見には慣れっこや」
なぜか、カッコつけながらコウノトリが語り出した。
「お前ら……“マンチキン”とこうして差しで話すのは初めてか? 怖がらんでもええ。俺は……優しい男やさかい。安心せえ」
なんでいちいち、髪(?)掻き上げながら言うの?
て、言うか、マンチキンがどうとかじゃなく……。
「……ない」
「え?」
トトが何か言ったので、聞き返す。
「ひねりがないっ!!」
トトが大声を出しながら、コウノトリに詰め寄った。
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