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コウノトリが胸元を指した。
「あ。ホントだ。うわぁ~」
「……なんか、まんざらでもない感じですし」
更に、トトが突っ込む。
「で、彼がその先生のところに案内してくれるのはいいとして……先生についてある程度の情報をいただきたいんですが」
トトがグリンダの方に向き直る。
「情報……ね。名前はオールボーン。偽名だけど」
オールボーン……。“全てワラ”。
……まさか、グリンダが付けた名前じゃないでしょうね?
「……訪ねたら“ワラ人形”が出てきた……ってオチは無しですよ?」
トトも同じことを考えたのか、グリンダを冷ややかに見ながらそう言った。
「んなわけないでしょうっ! その先生ね、昔“オズ”にいた頃いろいろあって、ちょっと自虐的になってるのよ。私は中身のない人間だって言いたいんでしょ」
グリンダが皮肉っぽく鼻をならす。
「まぁ、とにかく現地に行ってみなさい。そしたらいろいろわかるわよ」
ニコニコと笑うグリンダを見ながら、トトがため息をついた。
「……ほとんど情報らしい情報が無いじゃないですか」
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