サザンクロス~情報屋とコウノトリ Vol.3~

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 ※ ※ ※ ※ ※  グリンダが用意してくれた宿に、お嬢を先に行かせ、俺はグリンダと話をしていた。 「……グリンダさん。あまりお嬢の心を引っ掻き回さないでくれませんか?」 「あら? なんのことかしら?」 ソファーの上で足を組み、優雅に微笑むその姿に、俺の苛立ちが限界を越えた。 「惚けるなっ! “あの歌”をお嬢の前で歌ったり、記憶を呼び覚ますようなことを言ったり、わざとお嬢が不安になるような情報を与えたり……やめてくれっ!!」 気が付くと、グリンダの胸ぐらを掴んでいた。 「……怖い?」 「え?」 ふいにグリンダから問いかけられ、思わず胸元から手を放す。 「あの子が変わってしまうのが怖い?」 グリンダが俺を見据える。 「俺は……お嬢に、もう二度と悲しい思いをさせたくないだけだ」 フィエロ博士がいなくなってから、父親を思い一人で泣いていた彼女。 何度も迎えに行くと言って、家を飛び出していた彼女。 そんな彼女に俺はなにもしてやれなくて……。 挙げ句のはてに……“あれ”は起こった……。
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