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「なんやて?」
「迷惑ですよ。あなた方が出来なかったことを俺達に押し付けないで欲しい」
「ちょっと! トトっ!」
突き放すようなトトの態度を嗜める。
「なんやねん……その言い方」
コウノトリも明らかに気分を害している。
だが、トトは意にかいさず、尚も続ける。
「俺達はあなた方の尻拭いをするつもりはありませんから」
「なんやと? もういっぺん言うてみぃ?」
険悪な空気が流れる。
一触即発なその空気を変えたくて、コウノトリに話しかけた。
「ね、ねえっ! 例の先生のところにはあとどれくらいかかるの?」
「ん? ああ……」
コウノトリが私の方に向き直る。
「せやな……もうちょいで……って、アレやアレ。あの家がそうや」
麦畑の中に所々点在する家のひとつを、コウノトリが指した。
まだ結構な距離がありそうだ。
「え~っと……コウノトリはその先生に会ったことあるの?」
なんとか話の流れを変えたくて、必死に会話を続ける。
「あるで。何度か俺様のメンテをしてもろたことがあるからな」
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