サザンクロス~祈り Vol.1~

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「なんやて?」 「迷惑ですよ。あなた方が出来なかったことを俺達に押し付けないで欲しい」 「ちょっと! トトっ!」 突き放すようなトトの態度を嗜める。 「なんやねん……その言い方」 コウノトリも明らかに気分を害している。 だが、トトは意にかいさず、尚も続ける。 「俺達はあなた方の尻拭いをするつもりはありませんから」 「なんやと? もういっぺん言うてみぃ?」 険悪な空気が流れる。 一触即発なその空気を変えたくて、コウノトリに話しかけた。 「ね、ねえっ! 例の先生のところにはあとどれくらいかかるの?」 「ん? ああ……」 コウノトリが私の方に向き直る。 「せやな……もうちょいで……って、アレやアレ。あの家がそうや」 麦畑の中に所々点在する家のひとつを、コウノトリが指した。 まだ結構な距離がありそうだ。 「え~っと……コウノトリはその先生に会ったことあるの?」 なんとか話の流れを変えたくて、必死に会話を続ける。 「あるで。何度か俺様のメンテをしてもろたことがあるからな」
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