サザンクロス~祈り Vol.1~

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「どんな人?」 グリンダの話だけだと、あまりわからないうえに、気難しそうな印象だったから聞いてみる。 「せやな……。一言で言うと“デレのないツンデレ”」 …………は? 「いや、それじゃよくわかんないんだけど……」 ていうか、やっぱり気難しそうな印象なんですけど。 「ま、会ってみればわかるわい」 グリンダと同じことを言う。 「もう! そればっかりなんだから! ねぇ、トト?」 ちらりと私を見るが、返事はない。 ……こっちはこっちでまったく! 私の何か言いたげな視線に気づいたのか、トトがばつが悪そうに笑顔を向けた。 「あ……いや……そうですね……。その先生は、俺の知ってる人にちょっと似てますね」 「トトの?」 「ええ」 意味深に笑うトト。 誰だろう? トトは笑うだけで、答えてくれない。 「お。そこを右折してくれ」 コウノトリがトトに指示を出した。 「もうちょいで着くで。お前ら」 徐々に、コウノトリが指した家に近づいていく。 それから3人とも無言のまま、車は走り続けた……。
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