1279人が本棚に入れています
本棚に追加
※ ※ ※ ※ ※
麦畑の中に立つ小さな家。
その前に車を止める。
車から降りた私は思いきり伸びをする。
頬を撫でる風。風が吹くたびシャラシャラと一斉に音をたてる麦畑。
それら全てが心地良い。
「ん?」
コウノトリがいぶかしげに、声をあげた。
「どうしたの?」
「先客がおるみたいや」
「ほれ」と言いながら、コウノトリが指した方を見ると、そこには数台のバイクが止めてあった。
その時――
どんがらガッシャンガッシャンパッリーンっ!!!
家の中からものすごい音。
「ど、どんがら?」
「ガッシャンガッシャン?」
「パッリーンっ……て」
3人で顔を合わせる。
「なんや……家の中から……えらいカオスなことが起こっとるような音がしとるけど……」
「うん……。なんか入るのをものすご~く躊躇っちゃうような音がしてるよね……」
「俺はグリンダ情報を信用して良かったのか、若干心配になってきてますが」
「うぉいっ! 姐さんに失礼やろ!?」
コウノトリが抗議しかけた時――
最初のコメントを投稿しよう!