サザンクロス~祈り Vol.1~

15/42
前へ
/604ページ
次へ
―――――― ……俺が一時期、私学に通っていた頃があったでしょう? そうトトが話し出した―― ―――― ギルバート先生は、その時お世話になった方なんです。 “オズ”で学芸員をやっているエリート……そんな触れ込みで私学の臨時教師をやっている人でした。 その私学の学長が権威に弱い方で、“オズ”での現役の研究者、しかも“家名持ち”ってことでことあるごとに紹介されてましたね。 先生本人は興味なさそうでしたけど。 でも、お嬢もなんとなくわかったと思いますが、はっきりとした方と言いますか、誤解を招く言い方をすることが多くて、一部の保護者や私学のスポンサーからはかなり反感を買ってました。 生徒達からも敬遠されてましたね。 男性陣からはエリートが鼻に付くとか言われて。 女性陣は……まぁ、顔は良いし、エリートだから憧れている人達は多かったけど、物言いが災いして、恐れられてましたね。 ……はい。お嬢の言う通りです。 私学の中でかなり浮いてました。 でも、なぜか俺とは気があったと言いますか……。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加