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「え?」
「言ったでしょう? 私学の学長は権威に弱いって。学長の目的はオヤジだったんです。そもそもはオヤジを教師に据えたかったんですよ。俺はそのついで」
「ついでって……」
「俺を私学にただで入学させて、オヤジに教師になるように迫ってたんです。で、オヤジのやつそれをああでもないこうでもないってのらりくらりかわしてて……」
「……学長がキレたわけね」
義父さんがやりそうなことだわ。
「ご名答」
トトが苦笑した。
「災難よね……トトも」
「ま、学びたいことはあらかた学んだし、七光り七光り言われて、浮きまくりながら私学に通うより、俺はお嬢の方が心配だったから良かったんですけどね」
「私の何が心配だったのよ!?」
思わず、抗議の声をあげる。
「俺が私学から帰るたびに玄関で待ってたのは誰ですか? そのつどオヤジにドロシーはお前が帰るのを玄関で1時間以上待ってただの嫌味言われて。随分寂しい思いをさせてしまっているなぁと……。やっぱりお嬢には俺がいないとダメなんだなぁと」
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