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「俺のほうこそ、まさかギルバート先生が紹介されるとは思いませんでしたよ」
「……ふん。情報屋め……何を企んでる?」
腕を組みながら、先生はコウノトリに皮肉気な笑顔を向けた。
「俺様は何も知らん! ちゅーか、二人が知り合いやったなんて初耳や!」
コウノトリが思い切り抗議する。
「そうか。こいつは僕が“外界”で教師をしてた時の教え子でな。なかなか面白いやつだった」
「面白い?」
思わず聞き返す。
「ああ。面白い。時に尋ねるが……君の名前はドロシーと言わないか?」
先生が突然、そんなことを聞いてきた。
「……は? はい。そうですけど」
「やっぱりな……」
先生がおかしそうにくつくつと笑う。
「いや……こいつが言ってた通りの容姿がそのまま成長したようなやつだなと思ってな……。何せ耳にタコが出来るほど、こいつはことあるごとにお嬢お嬢うるさかったからな」
トト……。あんたってば……。
寂しかったのは実はあんたの方だったんじゃないの?
「ちょっ……!? 先生!? 俺はそんなにお嬢の話をした覚えは……!?」
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