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トトが反論するが、先生は意にかいさない。
「何を言っている? お前のお嬢バカっぷりは、私学ではかなり有名だったぞ? 女生徒どもが噂してたぞ。顔は良いのにあれはないってな」
「いや、あなたからは言われたくないですよ!? もらったラブレターの誤字脱字を赤ペンで添削して返して、総すかん食らったのは誰ですか!?」
……なんとなくだけど。
この二人が私学で浮いていた本当の理由がわかったような気がする……。
「二人とも……結構なアホやね……」
コウノトリがボソッと突っ込む。
「……うん」
軽く同意する。
……てかさ。
「あの……思い出話に花が咲くのはわかるんだけど。そろそろ本題に入らない?」
この二人……止めないと延々と続けそうだ。
「ん? ああ。そうだな」
先生が咳払いをして、姿勢を正した。
「グリンダからは、詳しい話は依頼人から聞けと言われているが?」
「患者は8歳の子供です。オヤジから預かったカルテに詳細が書かれてます」
トトが先生に封筒を渡す。
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