虹の向こうに~プロローグ~

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「……コツがいるから」 レオンが呟いた。 「…………は?」 「……屋根から飛び降りても、ケガをしない方法がある。…………昔……“軍”で学んだ。…………今度、教えてやるから……やってみるといい」 「……遠慮しとく。てか、やらねぇし……」 アルが突っ込む。 「てつおくん」 さっきから黙っていたトトが、口を開いた。 「車、止めてくれませんか?」 「……てつおくん、ゆうな。てか、何? ションベン?」 「下品な言い方しないでください。違います。俺じゃなくて、師匠がもどしそうです」 トトを除く3人が、一斉に助手席の男を見る。 さっきから地図を見ていた男――オールボーンが下を向いたまま、固まっている。 眼鏡がずり落ち、顔に縦線が入っている。 アルがブレーキを踏んだ。 「…………大丈夫だ」 「どこがっ!! 顔に縦線入ってるじゃねえかっ!! めちゃくちゃ吐きそうじゃねえかっ!!」 「……僕の経験からすると、あと1時間はいける」 「なんの学習だよっ! それ!! つか、あんたは別の学習をしろっ!!」
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