虹の向こうに~望郷~

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――ぼすっ!! ……ぼすっ?……何の音? うっすらと目をあけると、正面にトトの顔があった。 顔を横に向ける。 トトの拳が、私の顔の真横にある。 軽く拳がベッドに沈んでる。 もう一度正面を向くと、トトが満足そうに笑った。 「おはようございます。お嬢。いやぁ~起きてくれて良かった。これで起きなきゃ、次はマジで顔面に正拳入れるところでした。いやぁ~ホントに良かった」 ……“良かった”じゃあねえぇっ!!! 「だから、あんたはなんで普通に起こせないっ!!??」 大絶叫しながら飛び起き、すかさず、トトに正拳突きを食らわす。 ……が、トトは難なくそれをかわす。 「お嬢が起きないからです」 「だからって、普通眠ってる女の子の顔にグーで殴ろうとするかぁっ!?」 ベッドから飛び降りて、今度はローキックをお見舞いする。 ……が、これもかわされる。 「殴らなかったんだから、いいでしょう?」 「いいわけあるかぁぁっ!!!」 再び、正拳突き。 しかし、トトはこれを軽く手のひらで受け止める。 そして、わざとらしく笑いながら私の手首を掴んだ。
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