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「……甘めぇんだよっ!!」
ドスのきいた声をトトがあげて、そのまま手首をひねられる。
「……っ!!」
「お嬢……。俺、教えましたよね?……技を連続で出すときは、隙を作るなって」
「ちょっ……! トト! 痛いっ!! 放してっ!!」
「……放しませんよ」
トトが、もう片方の手首を掴んだ。
そして、両手を後ろ手にまとめられる。
「ちょっと……! いい加減にしてよ!! やだ!! 放してっ!!」
振りほどこうとしても、びくともしない。
「……お嬢はね、捕まっちゃったんですよ。隙があるばっかりに。……さて、どうしてやりましょうかね?」
……ヤバい。こいつ、変なスイッチが入りやがった。マジでヤバい。どどど、どうしよう〰。
「……え~っと。もしもし? お兄さん?……かえって来てくださいな~」
「……うるせぇ。少し黙ってろ」
トトの口調が変わる。
……激ヤバい。多分私、今顔に縦線入ってると思う。
「おとなしくしてりゃ、優しくかわいがってやるからよ」
トトが楽しそうに笑う。
……絶体絶命。
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