虹の向こうに~望郷~

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その時―― バタンッ! 部屋のドアがおもいっきり開かれる。 ツカツカツカ……。 誰かが近づいてくる足音。 そして…… バッカーンッ!!! トトの頭に何かが直撃したらしい、すごい音が聞こえてきた。 「俺の大事な娘に、何さらしてやがんだ。ああん? このバカ息子っ!」 トトの後ろに、ヨレヨレの白衣を着た義父さんが立っていた。 片手で無精髭をあたりながら、片手にはものすごく分厚い本をもっていた。 どうやら、“アレ”で殴ったらしい……。 トトが後頭部を押さえながら、無言で呻いてる。 相当、痛かったらしい。 ……義父さん。相変わらず、素敵すぎるほど容赦なし。 「おっはよ~ん。ドロシー。もう、心配いらないよ。パパが助けに来たからね」 ……パ、パパって。 しかも、そんなすごい嬉しそうに。 「あ、あの……パパ? トト、無言で呻いてますけど……」 「ああ、大丈夫大丈夫。男なんだから、心配ないない。これくらい平気平気」 ……いや、男だからとか、そういう問題じゃなくて。
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