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「おはようございます。お嬢」
私に銃を向け引き金に手をかけ、トトはニッコリ笑ってそう言った。
部屋中トトの殺気で充満している。
満面の笑みを浮かべながら、トトが続けた。
「相変わらずお嬢は殺気に敏感だ。良いことです」
……“良いことです”じゃあ、ねぇっ!!
「トォ~トォ~ッ!! なんで、あんたは普通に人を起こせないんだっ!! つーか、永遠に眠ってしまうっつうのっ!!」
「普通に起こそうとしても、お嬢が起きてくれないからです。俺も聞きたい。なんで普通に起きてくれないんです? お嬢、いくつになったんです? 毎朝人に叩き起こされて、恥ずかしいとか、反省しなきゃとか思わないんですか?……あぁ、反省といえば思い出した。この間のこともそうですよね。俺があれだけ言ったのに……」
……ヤバイ。めんどくさい方向に行き出したぞ。こいつ。
「わかった。わかりましたっ!! 起きますっ! すぐ起きるからっ!!」
「……じゃあ、とっとと普通に起きてください。日課になってきてるとはいえ、毎朝殺気を振りまくのは、俺もしんどいんですから」
……じゃあ、振りまくなよ。心の中で突っ込む。
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