虹の向こうに~望郷~

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「俺が“弾除け”」 「だって俺、娘残して死にたくないもん」 「俺だって死にたくありませんよ!」 「ヘンリー様。車の準備が出来ました。後部座席にナノマシンと解析スキャナーを積んでいます。それと、トト様。銃と防弾ベストを用意しておりますので、装備してください。ヘンリー様もお願いします」 ……エム。いつのまに。 「……仕事早いね。エムちゃん」 「恐るべし……。エムさん」 二人がエムを見ながら、そう言って「ははは」と乾いた笑いを出した。 「ありがとうございます」 どこまでも、事務的なエム。 「ああ。それと……」 思い出したように、エムが二人に向き直る。 「お二方に万が一のことがあっても、ドロシー様には私がついております。安心して逝ってらっしゃいませ」 ……エム。今、すごい漢字変換ミスしてなかった? 「逝けるかぁぁっ!!!!」 二人が大絶叫しながら、同時に突っ込んだ……。
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