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「動かないでっ!!」
義父さんの背後から、声がした。
「少しでも動いたら……この男の命は……ないっ!!」
義父さんの頭に銃を突き付けている女性が、こちらを睨みながら、義父さんの背後から出てきた。
「ヘンリー様っ!!」
エムが自分の懐に手を入れながら、素早く女性に近づこうとする。
「エムっ!!やめろっ!!」
義父さんが大声を出して、エムを制する。
ぴたりと止まるエム。
「……っ!ですが……!ヘンリー様っ……!」
エムが不満気に、義父さんに訴える。
「……大丈夫だ。……だから、やめろ」
義父さんがエムをなだめるように、静かに言った。
「……あんた……家に人がいるなんて、言ってなかったじゃないっ!!なんなのよっ!!こいつらはっ!!」
女性がヒステリックに声をあげる。
「こいつらって……。俺の大事な愛娘と愛弟子だぞ?つか、俺みたいないい男がフリーなわけないぢゃーん?」
呑気に義父さんが笑う。
「この緊急時に、なに言ってるんです。このアホオヤジは」
呆れたようにため息をつきながら、トトが女性の背後から出てきた。
「トトっ!……いったい……これって……?」
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