虹の向こうに~望郷 Vol.2~

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「動かないでっ!!」 義父さんの背後から、声がした。 「少しでも動いたら……この男の命は……ないっ!!」 義父さんの頭に銃を突き付けている女性が、こちらを睨みながら、義父さんの背後から出てきた。 「ヘンリー様っ!!」 エムが自分の懐に手を入れながら、素早く女性に近づこうとする。 「エムっ!!やめろっ!!」 義父さんが大声を出して、エムを制する。 ぴたりと止まるエム。 「……っ!ですが……!ヘンリー様っ……!」 エムが不満気に、義父さんに訴える。 「……大丈夫だ。……だから、やめろ」 義父さんがエムをなだめるように、静かに言った。 「……あんた……家に人がいるなんて、言ってなかったじゃないっ!!なんなのよっ!!こいつらはっ!!」 女性がヒステリックに声をあげる。 「こいつらって……。俺の大事な愛娘と愛弟子だぞ?つか、俺みたいないい男がフリーなわけないぢゃーん?」 呑気に義父さんが笑う。 「この緊急時に、なに言ってるんです。このアホオヤジは」 呆れたようにため息をつきながら、トトが女性の背後から出てきた。 「トトっ!……いったい……これって……?」
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