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「どんくさいアホオヤジのせいです」
トトがもう一度、ため息をつきながら、それでも油断なく女性を睨みながら、そう答えた。
「あっ、てめえっ! 責任転嫁するか? お前の車の運転のせいだろ!?」
「俺はきっちり避けました! だいたい、あんな飛び出し方されて避けられたのは、俺の運転テクの賜物ですっ! 問題はその後っ! なんで、簡単に女性から銃を突き付けられちゃうかなぁ~。あんた、一応男でしょう?」
「あっ! 差別的発言っ! お前、それ女性蔑視だぞ! なあ、今の聞いた? ドロシーちゃん? あいつサイテーだよね?」
……と、義父さん。なんか話が脱線しかけてるし、子供が心配なんだけど……。私……。
「……要するに、その女が車の前に飛び出してきて、子供を治療しろ……。そうヘンリー様を脅してるわけですね。……恐らく、その女は反オズを掲げるレジスタンスか何かですね?」
エムが女性を睨みながら、義父さんにそう言った。
「おお。……よくわかったな。エム」
……いや、私もわかったけど。義父さん。……なんとなくだけど。
「……っるさいっ!!」
女性が銃をかまえ直し、またヒステリックに叫ぶ。
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