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「さぁ、目が覚めたなら、早くリビングに来てください。農場主の方が朝食を用意してくれてます」
「あー、ごはん。あとで食べるから……。もう少し寝ていたい……」
「だめです。泊めていただいたうえ、朝食まで用意していただいてるんです。冷めないうちに食べてしまうのが礼儀です」
あんた、御主人様(私)に対しての礼儀は遥か昔にどっかに捨てたくせに……。
「それに、俺のお嬢がいい年して、朝一人で起きれないうえ、朝食も放棄するとか、俺は絶対認めませんから」
……う。黒い笑顔。……怖っ。……怒りモードに入ってる。
「……すぐに着替えて行きます」
「お待ちしております」
これ以上ないくらいの満面の笑みで、トトはそれだけ言うと、さっさと部屋から出て行ってしまった。
“トト”
――幼い頃から、私に仕える5つ年上の従者兼ボディーガード。
両親がいなくなってからも、律儀に私に仕えてくれている。……と、言うのは建前で、実際は従者と言うよりは“オカン”。それもめっちゃ口やかましく、少し“S”の入った……。
最近は、私以外にも“オカン”を発動して個性的な連中をまとめてくれている。
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