虹の向こうに~望郷 Vol.2~

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「それから、そこのあなたっ!」 いつのまにか銃を下ろして、呆然としている女性に向き直る。 「あなた、義父さんに自分から子供の治療を頼んだのよね!? だったら、信用できないとか言わないっ!!」 「いや……お嬢。“頼んだ”というより“脅した”なんですがね……」 「トトは黙ってて!!」 「……はい」 「たしかに、義父さんっていい加減そうに見えるし、言ってることもいい加減っぽいから、あなたが信用できないっていうのはわかんないでもないわ」 「ドロシー……。ひどいなぁ~。パパのことそんなふうに見てたの? パパ、ショック」 義父さんが、治療室から顔を覗かせた。 「義父さんも黙ってて! て、いうか、早く治療にかかって!!」 「はいはい」 「“はい”は一回!!」 ……まったく。こっちは必死だってのに。 「……医者ってね、患者から信用されてその力を発揮出来るものだと思うの。私」 女性の目を見ながら、真剣に訴える。 「だから、あなたも義父さんに頼んだ以上、義父さんを信用してほしい。義父さんが直すって言ったのよ?……きっと、大丈夫」
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