1279人が本棚に入れています
本棚に追加
表向き、私がこの旅のリーダーではあるが、実際のリーダーはトト。
なので、トトには全員頭が上がらないことが多い。
そんな彼を私達(主に私とアル)はこっそり“影番”と呼んでいる……。
着替えを終え、髪をまとめて、銃をスカートの下に隠してあるホルダーに差し込み部屋から出た。
リビングの前で、レオンに会った。
籠いっぱいの野菜を抱えている。どうやら、農場の仕事を手伝ってたらしい。
「おはよう。レオン」
「……おはよう。ドロシー」
ぼそっとレオンがつぶやく。
「農場のお手伝いしてたの?」
籠の野菜を見ながら、レオンにそう話しかけた。
「……ああ。泊めてもらった礼になにかしたいって言ったから」
「……ごめん。私、思っきり寝てた」
しかも、トトに叩き起こされるというオマケつき。
「……いい。ドロシー、疲れてたんだろう」
……嗚呼、レオンは優しい。誰かさんと違って。
「……ドロシー」
レオンが近づいてきた。体格の良い彼が近くにいると、威圧感がある。
「な、何?」
レオンは私をじ〰っと見て、ふっと笑った。
「…………いい」
………………は?
最初のコメントを投稿しよう!