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「もしも、あなたの安息に介入して、壊す者がいれば……容赦はしない。……それだけです」
誰に言うでもなくそう言って、エムは治療室に入って行った。
「……エムの奴、えらい怒ってるな」
ごそごそと動く音がする。
「しかも、なんか優先順位変わってるし。いいけど。俺はいつのまにか、2番目に格下げなわけね。エムちゃん」
毛布の中から、義父さんが顔を出す。
「つか、バカ息子より下だったらどうしよう。……やめよう。考えただけで、なんかへこみそうだ」
義父さん。いつから、起きてたの?
「“子供は関係ないでしょう”のあたりかな?」
そして、なぜ心の声がわかるの?
「あいつ、怒ってるなぁ~。ま、気持ちはわかるけどな」
「え?」
「“オズ”に抵抗するのは勝手だが、関係ないやつを巻き込むなって言いたいんだろう。あいつは」
よいせっと言いながら、義父さんが身体を起こす。
「その点に関しちゃ、俺も少し同感だ。もっと上手く立ち回れって言いたい。そうすれば、あの村はたくさんの犠牲者を出さずにすんだ」
義父さんが哀しそうに、呟く。
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