虹の向こうに~望郷 Vol.3~

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「もしも、あなたの安息に介入して、壊す者がいれば……容赦はしない。……それだけです」 誰に言うでもなくそう言って、エムは治療室に入って行った。 「……エムの奴、えらい怒ってるな」 ごそごそと動く音がする。 「しかも、なんか優先順位変わってるし。いいけど。俺はいつのまにか、2番目に格下げなわけね。エムちゃん」 毛布の中から、義父さんが顔を出す。 「つか、バカ息子より下だったらどうしよう。……やめよう。考えただけで、なんかへこみそうだ」 義父さん。いつから、起きてたの? 「“子供は関係ないでしょう”のあたりかな?」 そして、なぜ心の声がわかるの? 「あいつ、怒ってるなぁ~。ま、気持ちはわかるけどな」 「え?」 「“オズ”に抵抗するのは勝手だが、関係ないやつを巻き込むなって言いたいんだろう。あいつは」 よいせっと言いながら、義父さんが身体を起こす。 「その点に関しちゃ、俺も少し同感だ。もっと上手く立ち回れって言いたい。そうすれば、あの村はたくさんの犠牲者を出さずにすんだ」 義父さんが哀しそうに、呟く。
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