虹の向こうに~望郷 Vol.3~

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義父さんをまっすぐ見る。 「……私は、あの二人を助けたい。“軍”に通報したくないし、他の誰かからされたくもない」 黙って聞いていた義父さんが大きく息を吐く。 「……ドロシーは正直だな」 義父さんが立ち上がり、私の頭に手を置いた。 「情報屋をあたってみる」 「え?」 「専門の治療ができて、かつ、“軍”に通報される恐れのない病院を探してみよう」 「義父さん!」 「その変わり、期待するなよ? 条件がとてつもなく厳しいんだからよ」 「うん! ありがとう!! 義父さん! 大好き!!」 義父さんにおもいっきり抱きつく。 「ああ……❤これだから、父親はやめられない❤娘バンザイ❤」 義父さんが満足そうに言う。 その時…… 私の背後から殺気がした。 バッと振り返ると…… 「トト!」 「……何やってんだ。クソオヤジ」 「抱擁」 「“抱擁”じゃねーよっ!」 トトが私と義父さんを“べり”っと引き剥がす。 「何しやがるっ! バカ息子っ!」 「うるせえっ! だいたい、今回のことはあんたが原因だろう!? ちったぁ反省しろっ!」
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