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義父さんをまっすぐ見る。
「……私は、あの二人を助けたい。“軍”に通報したくないし、他の誰かからされたくもない」
黙って聞いていた義父さんが大きく息を吐く。
「……ドロシーは正直だな」
義父さんが立ち上がり、私の頭に手を置いた。
「情報屋をあたってみる」
「え?」
「専門の治療ができて、かつ、“軍”に通報される恐れのない病院を探してみよう」
「義父さん!」
「その変わり、期待するなよ? 条件がとてつもなく厳しいんだからよ」
「うん! ありがとう!! 義父さん! 大好き!!」
義父さんにおもいっきり抱きつく。
「ああ……❤これだから、父親はやめられない❤娘バンザイ❤」
義父さんが満足そうに言う。
その時……
私の背後から殺気がした。
バッと振り返ると……
「トト!」
「……何やってんだ。クソオヤジ」
「抱擁」
「“抱擁”じゃねーよっ!」
トトが私と義父さんを“べり”っと引き剥がす。
「何しやがるっ! バカ息子っ!」
「うるせえっ! だいたい、今回のことはあんたが原因だろう!? ちったぁ反省しろっ!」
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