虹の向こうに~エピローグ~

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何も知らない子供と村人達との優しい時間だけが、女にとってどれだけの慰めになったことだろうか。 ……失いたくはなかった。 それは、彼女が欲した“帰るべき安らぎの場所”に近かった。 今までどんなに願っても、どんなに望んでも、手に入らなかったもの……。 “望郷” “オズ”に忠誠を示しても手に入らなかったものが、裏切ることで、得られるかもしれない……。 皮肉なことだと思った。 だが、そんな優しい時間はすぐに終わりを告げる。 “軍”に裏切り行為と二重スパイが発覚する。 “軍”は彼女ごと、村を戦滅しにかかった。 ……レジスタンスが彼女を助けに来た時、一網打尽にするために。そして、裏切り者がどうなるか、“オズ”に歯向かう者がどういう末路をたどるのか、見せしめるために……。 怪我を負い、泣き叫ぶ我が子を抱え、なんとか包囲網を突破した女は、すぐにレジスタンス達に助けを求めた。 ……だが、レジスタンス達は動かなかった。 “軍”の思惑どおりに動けば、多大な損害を出すことになる。
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