閑話休題~その2~

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どごんっ!!! 「……ちょっ!? お前っ!?」 ヘンリーが、壁にそってへたりこむように床に座る。 その真上にエムの拳があった。 「おおおお、お前な~っ!! ああああ、危ねぇだろうがっっ!!! つか、上司の顔面をグーで殴ろうとするなっ!!!」 「“オズ”から離れようとしているあなたは、既に上司でもなんでもありません。むしろ敵です。……説明を。あなたは何を考えてるんです?“ウィザード”にもあれだけ信頼されてるというのに……。…………もしかして……バカなんですか?」 「あのなぁ……」 「…………説明を」 ヘンリーが座ったままため息をついて、髪を掻き上げた。 「さっき言った通りだよ。何もかも嫌になった」 先ほどとは打って変わった真面目な顔。 エムは、すっと腰を落とし、ヘンリーの顔を覗きこんだ。 「……フィエロ博士のことですか?」 「……フィエロは関係ない。俺がここの連中についていけなくなった。それだけだ」 ――関係ないなんてあるわけない。 ヘンリーはフィエロ=ゲイルの無二の親友だった。
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