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心なしかヘンリーの腰が引いている。
「……多分、私はあなたに惚れてるんだと思います」
「突然何言ってんの!? この子は!?」
ヘンリーが“ずるっ”と滑った。
「惚れてるから……私はあなたについて行きます」
ヘンリーが大げさにため息をつく。
「……止めても、無駄なんだろうな」
「無駄です」
「……後悔するなよ? 俺はお前を幸せになんてしてやれないぞ?」
「覚悟はできてます。それに……戦場では、自分の幸せは二の次です。戦場で自分の幸せを求めれば、余計な血が流れますから」
「戦場……ね。まぁ、あながち外れでもないかもな」
そう。これからすることは“オズ”に反旗を翻すことに等しいのだから……。
ヘンリーは、エムの頭をぽんっとやった。
「……これからもよろしくな。監視員さん?」
「……はい」
エムは笑顔でそう答えた……。
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