閑話休題~その2~

8/10
前へ
/604ページ
次へ
  ※  ※  ※ そうして、エムとヘンリーは“オズ”を離れた。 “オズ”から与えられた小さな土地に診療所を建て、“オズ”にいた時より貧しく厳しい生活ではあったが、充実していた。 そんな二人での生活をしばらく続けていた時――。 “あの男”が突然訪れたのだ。 ――フィエロ=ゲイル博士。ヘンリーの無二の親友だった男。 そして――“オズ”最大の反逆者。 フィエロは二人の子供を連れていた。 その二人の子供が、“あの事件”でフィエロが“オズ”から連れ出した“核(コア)”だとヘンリーから説明され、エムは驚いた。 フィエロは二人をヘンリーに託すと再び“オズ”に向かったらしい。 多分……二度と会えないだろう。 ヘンリーはそう言った。 ――まったく、昔からそうだよ。あいつは。人の気も知らんと……。置いていかれるほうの身にもなれってんだ。 寂しそうに笑うヘンリー。 そんなヘンリーを見ながら、エムは別のことを考えていた。 ――あの二人の子供。 私はどうしたいのだろう?
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加