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「あんた……。昨日似たようなこと、ここんちのご婦人方に言ってなかった?」
「……ふっ。俺の愛はたくさんあるのさ。でも、真実の愛は君だけのために……」
……ああいえば、こういうタラシだな、おい。
アルが顔を近づけてきた。てか、近すぎる!! ちょっ、ちょっとまてぇいっ!!
もう一度、アルに鉄拳制裁を食らわせようしたとき――
「てつおくん」
アルの背後からのほんとした爽やかボイスと、銃の撃鉄を起こす音がした。
アルの肩越しに、片手にティーセット、片手に銃をかまえたトトが立っているのが見えた。銃口をアルの後頭部にぐりぐりと突き付けている。
「てつおくん。ちょっとどいてもらえませんか? 通行の邪魔です」
「てつおってゆうぅぅなあぁぁっ!!!」
アルが大絶叫した。
“アルファード”
――通称“アル”本名“てつお”。本人曰く、アルファードが本名らしいが、はっきり言ってどっちでもいい。ただ、本人が“てつお”と呼ばれるのを凄く嫌がってるので“アル”と呼んであげている。
そんなことより、この男には大きな問題点がある。つか、そっちのが重大だ。
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