1279人が本棚に入れています
本棚に追加
――なかなか魅力的ではあるけどな……。
影は少女の頬にそっと触れる。
少女がくすぐったそうに「んっ」と言い、身を捩る。
――まっ、もうあと5~6年ほしいとこか?……つか。
影はふうっとため息をつく。
――こいつ、なかなか起きへんからなぁ。ボディーガードの兄ちゃんはおらんし、どないしょ……。
影はじ~っと少女を見て、むぅと唸った。
――しゃあないな……。
影は2、3歩後退し、次の瞬間、勢いよく少女のうえに飛び乗った。
「朝だぞ~っ! 起っきろぉ~っ!!」
「おぶんっ!!??」
少女が盛大な奇声を出した。
あわてて、体を半分起こす。
少女の胸のうえに誇らしげに立つ何か。
それは一羽のコウノトリだった。
首には大きな包みをぶらさげ、雄々しく羽根を広げている。
「俺様モーニングコール。ギャルゲー妹キャラバージョン」
わけのわからないことをのたまうコウノトリ。
固まっていた少女は、我に返り大きな叫び声をあげた。
「あ、あ、あ、あんたはぁ~っ!!!! 人のうえに乗って何してんのよ~っ!?!?」
最初のコメントを投稿しよう!