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「パシリ言うなっ! コウノさん言うなっ! 名字みたいやろっ!!」
コウノトリは声の主に突っ込んだ。
「て……突っ込んどる場合やないっ!! うぉーんっ!! ボディーガードの兄ちゃーんっ!! 助けてくれぇっ!!」
「どうしたんですか? お嬢と何かあったんですか?」
「何かって、俺様はこの寝坊助の小娘を親切に起こしたっただけや~!」
「どこが親切!? 人の胸の上に思いっきり飛び乗っておいて!!」
「ギャルゲー妹キャラじゃお約束やろ!?」
ぎゃーぎゃーと言い合う、一人と一羽。
その時、ものすごい真っ黒なオーラがあたりに漂よった。
「……お嬢を……起こした……?」
「お、おい、トト?」
「もしもし……? お母さん?」
「あの~、おあにいさん?」
「ち、ちょっと、トト?」
あまりに真っ黒いオーラ。
喧騒がぴたりと止む。
「お嬢を起こすのは……俺の役なのに……!!」
「そこに怒るんかいっ!?」
コウノトリが盛大に突っ込んだ。
「ええいっ! こうなったら……」
コウノトリは大きく羽ばたいた。
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