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「俺様……全力脱出! あばよっ!!」
コウノトリは入り口の隙間から器用に出て行った……が。
「ばふんっ!!」
何かにぶつかり、地上に落ちた。
見れば、がたいの良い大男が目の前に立っている。
「………………ただいま」
「レオン!」
レオンと呼ばれた大男が、コウノトリをむずっと掴んで持ち上げた。
「ななな、なんやねん!?」
「…………朝ごはん」
「はい?」
「これで……朝ごはんにしよう。…………ドロシー」
「うおぉいっ!! 何を言いだすねんっ!!」
レオンの腕の中で、バタバタとコウノトリが暴れる。
「ああ、それ、いいですね」
真っ黒オーラのトトが笑顔のまま答える。
「いいわけあるかぁっ!! てか、お前ら、姐さんの大事な大事なメッセンジャーに何をする気やっ!! ええかげんにせいっ!!」
「……………………軽い………………ギャグなんだが」
「わかりづらい上に、ギャグに聞こえんわぁっ!!!」
コウノトリの大絶叫が、荒野にこだましたのだった……。
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