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「……ったく。やれやれだぜぃ」
言いながら、コウノトリはマグカップを器用に持ち、スープをすすった。
……て、いうかさ……その羽ってどうなってんの?
「俺、毎回会う度思うんだけどさ。その羽……何で出来てんの? 吸盤でもついてんの? それ?」
アルが私の思いを代弁した。
「ふっふっふっふっ。これはなぁ……秘密や」
もったいつけるように、コウノトリが不敵に笑った。
「……謎は謎のままが美しいって……言うやろ?」
そう言って、ふっとニヒルに笑って見せた。
……こいつ。
……自分でもよくわかってないだけね。きっと。
コウノトリは、“オズ”の実験場で生まれた。
この世界で“マンチキン”と呼ばれる者達。
“オズ”がこの世界の仕組みを解明するために様々な研究と実験を行い、その結果生まれた……異質な人々。
コウノトリは、もともと西部でレジスタンス活動をしている人間だったらしい(西部訛りなのはそのため)
だが、“軍”に捕らえられ、そのまま実験場に送られた。
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