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◇◇◇◇◇
村の入口に、この村の人間ではない、一人の少女がいた。
短い髪はボサボサに乱れ、着ている服もボロボロ。森の中でも歩いてきたのか、所々に泥や葉っぱが付いている。
もう何日食事を取っていないのだろう、頬はこけ、足どりもややふらついていた。
しかし、その目は虚ろでなく、むしろ強い意思を秘めたものだった。
村の住人は、若干の好奇心を含んだ表情で、やや遠巻きにその少女を眺めていた。
少女はおもむろにそんな村人の一人にふらふらと歩み寄り、かすれた、しかしやはり強い意思のこもった声で聞いた。
「おい、英雄のいる村っていうのは、ここか?」
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