やって来た女の子

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ドンドン、と家の戸を強く叩く音がした。 またか。 今度は誰が来たんだろう。 少しうんざりしながら、僕は戸を開ける。 「お前が英雄の息子か」 開けた瞬間いきなり言われた。 「……そう、だけど」 僕はちょっと驚きながら答える。 英雄の息子、ね。 確かに、そうではあるけど。 でも。 戸の前に立っていたのは、僕よりもちょっと年下くらいの女の子だった。 やけに服がボロボロだ。どうしたんだろう。 多分この村の娘ではない。見覚えがない。 「英雄の、息子……」 女の子は、確認するように呟いた。 さっきは気づかなかったけど、声がちょっとかすれている。
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