過去の悲劇

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「もう、これで遅刻したら慎一の責任だからね!」 ムッとした顔で怒る彼女 「分かったって」 だか、その怒る顔も可愛い 「なにニコニコしてんのさ」 「香はいつも可愛いなぁって思って」 「そんなこと言っても遅刻したら許さないからね!」 顔を赤くし照れながらも言ってくる これまた可愛い表情である 「はいはい」 そんな俺達に悲劇が襲った そしてそれは交差点を渡っている時に起こった 赤信号にも関わらずトラックがスピードを落とさず俺達の方に向かってきた 居眠り運転である 「危ない!!」 それにいち早く気づいた香は俺を突き飛ばした その時、ドン!!と大きな音がした 「痛ってぇ」 突き飛ばされた俺が起き上がると そこには倒れている香の姿があった 「か……かおり?」 俺は慌てて駆け寄った 「香!しっかりしろよ!香!!」 泣きながら彼女の名前を叫んだ だが…しかし応答はなかった 「そうだ…救急車」 慌てて携帯を取り出し、震えた手で番号を打ち電話した 「すいません、か…彼女がトラックにひ…かれて!…きゅ…救急車を!」 俺は泣きながら震えた声で叫んだ 救急車は幸にも病院が近くて、香が事故に遭ってから10分で到着した 「香は大丈夫なんですか!?」 放心状態の俺は救急隊にしがみつきながら聞く 「しっかりして!!あなたも一緒に乗って下さい!!」 救急隊と共に救急車に乗り病院に行くのであった。
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