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高校二年二学期の中間テストが終了して、学校が半日で終わった日、珍しく叔父さんのところで副社長をつとめている、
「お母さん」
から「ケータイ・メール」で呼ばれ、事務所に顔を出した。
それが始めだった。
叔父さんとお母さんと一緒に食事した。
お母さんから「手紙」を渡された。
ファンレターは、お母さんが家へ持って帰ってきてくれるし、メールはうちへ転送されるので、それで目がとおせる。
事務所に呼ばれて、直接「手紙」を渡されるなんてはじめてだ。
あたしは二人に促されて、その手紙を読んでみた。
「上村純一」
という、
「都立世田谷大理工学部」
の学生さんからの手紙だった。
世田谷大の、
「教育学部美術科」
は、あたしも、
「受験したい」
と思っている学校のひとつだ。
しかも
「上村さん」
は、
「高校の先輩だ」
ということだった。
でも、「大学4年生」だと、あたしの通う
「東彩玉高校」
が、中学を併設して「六年制」を実践する前の先輩だから、顔を合わせたことはないはずだった。
「学校の先生の許可を得たら、一度(あたしに)会いにいきたいが、プロダクションにも知っていてほしいと思って、手紙を書きました」
という趣旨の、短い手紙だった。
「ちょっと不思議な気分」
に、なった。
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