第2章  水晶占  

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 高校二年二学期の中間テストが終了して、学校が半日で終わった日、珍しく叔父さんのところで副社長をつとめている、 「お母さん」  から「ケータイ・メール」で呼ばれ、事務所に顔を出した。       それが始めだった。    叔父さんとお母さんと一緒に食事した。    お母さんから「手紙」を渡された。    ファンレターは、お母さんが家へ持って帰ってきてくれるし、メールはうちへ転送されるので、それで目がとおせる。    事務所に呼ばれて、直接「手紙」を渡されるなんてはじめてだ。    あたしは二人に促されて、その手紙を読んでみた。  「上村純一」  という、 「都立世田谷大理工学部」   の学生さんからの手紙だった。    世田谷大の、 「教育学部美術科」  は、あたしも、 「受験したい」  と思っている学校のひとつだ。    しかも 「上村さん」  は、 「高校の先輩だ」  ということだった。    でも、「大学4年生」だと、あたしの通う 「東彩玉高校」  が、中学を併設して「六年制」を実践する前の先輩だから、顔を合わせたことはないはずだった。     「学校の先生の許可を得たら、一度(あたしに)会いにいきたいが、プロダクションにも知っていてほしいと思って、手紙を書きました」  という趣旨の、短い手紙だった。 「ちょっと不思議な気分」  に、なった。
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