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「あおべ~」
は、黙って、ハガキをわたしてくれた。
「上村先輩」
からのもので、先生への「アイサツ」と、
「学校に一度うかがいたい」
そして、その時できれば、あたしに「会いたい」という意味のことが書いてあった。
ハガキに目をとおして、先生に戻した。
「上村と電話でも話したんだがね」
ハガキの方に目を落として「あおべ~」
が、言った。
「個人的にオレが紹介というのも変なもんだしな~。
「だが、『まじめでいい奴』だ。
「話をきいてやってくれないか?」
「クリスタル・ゲイジングですか?」
「うん。
「どうもそうらしいな~。
「『個人的な依頼』
は、断っている、そうだね。
だが、
『会うだけでもいい。五分話を聞いてくれるだけでもいい、それで断られたら、あきらめる』
といってるんで、
「一応『大先生』本人にきいいてやる、といったんだ。
・・・
会いたくなければ、オレの方から断ってやるよ」
「いいですよ。
お会いするくらいなら」
あたしは「にっこり」して答えた。
熱心さに
「ほだされた」
といえば、きこえがいいが、実は「ちょっと興味」を持った。
学校の先輩でもあるし、
「上村純一」
という名が、(お母さんと同じように)かすかな記憶に残っているような気が、どうしてもしていたからだ。
それに、
「あたしには『直接』依頼してこない?」
ってのは、
「どういうわけ?」
「カラメテってヤツだな」
って、
「実は案外、ひっかってるw」
周到に「周囲」固めてくるって、
「策士だな」
って、スギコに言ったら、
「策士、策におぼれる。じゃなくて、『策士の策』におぼれたわけ?」
だって。
スギコは、シニックな言い方が、本当に「お得意」だ。
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