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「携帯代って……どんだけ貧乏探偵?」
「探偵ってのはねぇ、これでいて中々大変なんだよ~。
しかも、ウチは銀さん一人でやってる訳よ。
だから~、依頼がきて~、銀さんが外に出ちゃったら~、だぁれも事務処理してくんないし、だぁれも電話とってくんない訳。」
「う~ん、確かに大変そうだけど……因みに、曜日とかは?」
一応聞いてみた。「ンなの、お前の都合で構わねぇよ。来てくれるか?」
さっきの冗談っぽい雰囲気から、急に男モードに切り替えて畳み掛けてくる。
しかも、ポケットの中の手、ギュッてしたし。
あ~ぁ、これで一体何人の女が泣かされたんだろ……で、あたしも仲間入り……?
「嫌か……?」
少し屈んで、あたしの視点に合わせて聞いてくる。
馬鹿!顔近い!又ギュッてした!
くっそ~っっ……!
「い、良いよ。
バイトしても……。」
強がったって、仕方ないよね。
惚れちゃったんだもん。
でも、あたしは、過去に銀さんに捨てられた女と同類にはならない!
絶対に、あたし以外の女なんか視界に入らない位夢中にさせてやるから……!
今想えば、結構大胆な覚悟で、銀さんに恋するって決心したっけ……。
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