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「こんな日に限って、男ってのは女が欲しくなる生きモンだ。
でも、そんな状態で抱く女に、優しくしてやる余裕はねぇ。
只の処理なんだよ。
何で俺が上に行ってろって言ったか、解ったか?」
あたしは、半ベソかきながら頷いた。
「よし。後2分以内に上に行くか、嫌なら帰れ。」
そう言って、銀さんは、長椅子の背にもたれて目を閉じた。
正直言って、今日の銀さんは、今迄で一番恐いって思った気持ちが半分と、あたしを大事にしてくれてるって判って嬉しかった気持ちが半分で、凄く複雑な心境だった。
でも、折角の銀さんの誠実さに応えたいと思ったあたしは、立ち上がろうとして愕然とした。
え……?嘘……?まさか、腰が……?どうしよう…!やっぱ恐怖感の方が強かったんだ……。
駄目だ……!立てないよ……。
「胡桃、お前には、俺の気持ちが全く解んねぇらしいな……。」
銀さん…!聞いた事ない……!こんな低くて恐い声……!
ヤダ…!マジ恐い…!
「本当にヤっちまうぞお前……。
良いのか……?」声も出ない……あたしは、必死に首を振る。
「それで誘ってるつもりかよ……まぁ、男も知らねぇガキじゃ、しゃあねえけどよ!」
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