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でも、素直になれないあたし、憎まれ口が止まんない……。
「銀さんに、そこ迄縛る権利無いじゃん。
あたしの仕事は、ファイル整理だし、それ無いなら帰っても良くない?」
「そっか……ンなに帰りたきゃ帰れよ……。」
え…?何か、怒ってるってゆ~より、哀しそう……?「どうしたよ…黙っちまって…。」何で怒んないの?怒鳴れば良いじゃん。何時もみたく……。
これじゃ何も言い返せないじゃん。狡いよ……。
その時、ピーッ、ピーッ、ピーッって音が微かに聞こえた。
「あ~、電池ねぇわ。帰んなら鍵かけとけよ。ンじゃな……。」
電話は、あっさり切れた……。
何、さっさ切ってんの?!
っつ~か、何であたしが泣くん?
もぉヤダ……。
自分が一番ムカつく……!
事務所の応接セットの長椅子にダイブして、暫く自己嫌悪に浸る……。
あ~あ、銀さん、今日はもぉ帰って来ないのかなぁ……。
大人しく、電話番して待ってるって言ってれば、少なくとも、こんな気持ちで此処に居る羽目にはならなかった……。
「あ~も~!馬鹿銀!携帯古いし、電池保たないから替えろって言ってっじゃん!!」
長椅子の手摺りをガンガンぶっ叩きながら悪態をつく。
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