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想い出すなぁ……銀さんと初めて出逢った日の事……
あたしは、軽く目を閉じた……。
出逢いは、とある一軒のファミレス。日曜日のお昼時、当然、店内は家族連れやらカップルやらで、ごった返していた。あたしは、軽く昼食を済ませ、図書館から借りた本を読みながら、アイスティーを飲んでいた。店に入った時から結構混んでいて、カウンター席の端っこに座っていたけど、直ぐにそれも満席になった。
ふと、隣の席の大学生っぽい女の人が、伝票を持って立ち上がった。
と、そこへ、一人の男の人が、間髪入れずにその席に滑り込む様にして座った。
慌てて店員が飛んで来る。
「お、お客様、ご案内する迄お待ち頂けますか?」
すると、その人は、悲痛な面持ちで言った。
「あ~、お姉さん、チョコレートパフェとバナナパフェとストロベリーパフェね。」
「いえ、ですから、順番に並んで頂いてますので、あちらで名前を書いてお待ち下さい。」
店員が、ちょっと困った顔をして言う。
「え~、もう待てませ~ん。今直ぐ糖分摂らねぇと死にそうなんですけど~。」
その人は、だるだるで駄々をこねた。
銀髪…天然パーマ…?ヨレヨレの黒いスーツ…タイ無し…はだけたワイシャツの襟…
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