66人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に良いよ。本当にそろそろ帰ろうと思ってたし。」
「そう警戒すんなって。見た目程怪しいオッサンぢゃないからね、銀さんは。」
「う~ん……解った。気が向いたら電話する。」
「ふ~ん……気が向いたらね…。」彼は、そう言って片肘をテーブルについて、頭を乗せると、斜めにあたしを見上げる。
ちょっとドキッとした……。
「じゃ、電話待ってっから。又な、お嬢ちゃん。」
ヒラヒラと片手を振る。
何かムカついた。「お嬢ちゃんって言わないでよ、オジサン。」
銀髪オヤジは、不敵な微笑を浮かべた。
「お前……名前は?」
お、お前……?でも、何故か嫌な気がしない…何で……?
「胡桃……。」
あたしは殆ど無意識に答えていた。「美味そうな名前。」
「ど、どうゆう意味……?」
「良いねぇ、そ~ゆ~反応。確かに…お嬢ちゃんじゃ失礼か。」
意味あり気に微笑いながら、
「んじゃ、これから俺の事は銀さんって呼ぶように。」
なんて、勝手に話を纏める。
な、何…?しかも、良く考えたら、ファミレスなんかでする会話じゃないじゃん!
「ってか、電話するかどうかなんて判んないからね!じゃあね、オジサン!」
あたしは早足にレジへ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!